娘が生まれてから数か月。
育児にも少しずつ慣れてきた頃、今度は僕自身が体調を崩してしまいました。
朝から腹痛と微熱があり、その日は以前から楽しみにしていたピクニックへ行く予定でしたが参加を断念することに。
娘が生まれてから初めて大きく体調を崩したことで、育児中にパパが倒れることの大変さを身をもって経験しました。
当時は奥さんとも少しギクシャクしてしまい、お互いに余裕がなくなっていた時期でもありました。
でも今振り返ると、
「健康でいることも育児なんだ」
と、気づかせてくれた出来事だったと思います。
今回は胃腸炎で寝込んだ数日間を振り返りながら、その時感じたことを書いてみようと思います。
なぜ体調を崩したのか
その日は奥さんの友人家族と一緒にピクニックへ行く予定でした。
娘にとっても初めてのお出かけになる予定だったので、数日前からとても楽しみにしていました。
ワンタッチテントを事前に購入したり、前日にはスーパーで買い出しをするお店を調べたり…。
当日が来るのを本当に楽しみにしていたのです。
ところが当日の朝。
目を覚ますとお腹に違和感がありました。
しばらくすると腹痛が強くなり、何度もトイレへ行くことに。
さらに下痢が続き、身体も熱っぽく感じます。
体温を測ると微熱がありました。
何が原因だったのかは今でも分かりません。
「前日に冷凍していた魚の煮物を職場へ持っていったのが原因かな」
と思いながら、この状態で外へ出掛けるのは危険だと思いました。
もし娘や奥さん友人家族へ何かうつしてしまったら大変です。
「今日はやめておこう。」
そう決めたものの本当は最後まで諦めきれませんでした。
布団で横になりながら、
「少し寝たら体調が良くなるかもしれない。」
そんな期待をしていました。
しかし時間が経っても熱は下がりません。
身体もどんどん重くなっていきます。
その時点で、参加を諦めるしかありませんでした。
奥さんに、
「ごめん、今日はやめておく。」
と伝えると、少し残念そうな表情を浮かべていました。
僕も同じ気持ちです。
本当は娘と一緒に初めてのピクニックへ行きたかった。
だからこそ、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
一日寝込むことになった
この時はまだ胃腸炎だとは思っていませんでした。
奥さんと娘が出かけた後、僕は一人で布団へ入りました。
身体はだるく、お腹も痛い。
何かをする気力はまったくありません。
できるのは横になって目を閉じることくらいでした。
二時間ほど眠っては目を覚まし、
お茶を飲み、
またトイレへ行き、
再び眠る。
そんなことを一日中繰り返していました。
食欲はまったくありません。
お昼ご飯も食べられず、水分だけを何とか補給していました。
途中で、
「病院へ行こう」
と思って休日診療を調べたのですが、午前中の受付はすでに終了。
「じゃあ午後から行こう」
と思いましたが気付けば深く眠ってしまい、目を覚ました時には診療時間が終わりかけていました。
腹痛と身体のだるさで気力がわかず、結局この日は病院へ行くことができませんでした。
天井をぼんやり眺めながら、
「なんで今日なんだろう。」
「もっと慎重にお弁当のおかずを選ぶべきだった。」
そんなことばかりが頭をよぎります。
娘が生まれて初めてのピクニック。
本当に楽しみにしていた一日だったからです。
ふと五年ほど前にかかったノロウイルスのことも思い出しました。
あの時も腹痛と熱で本当に苦しかった記憶があります。
「またあの時みたいになってしまったのかな。」
そんな不安も頭をよぎりました。
そして一番つらかったのは、娘を抱っこできなかったことです。
いつもなら抱っこしてあやしたり、一緒に遊んだりしている時間。
それが何もできません。
「今日は一日、娘と関われないんだ。」
そう思うと、身体のつらさとは違う寂しさも感じました。
妻とのすれ違い
朝に体調が悪いことを伝えると、奥さんの表情が少し曇りました。
僕は、
「ギリギリまで休んで、熱が下がれば行こうと思う。」
と伝えていました。
でも体調は戻らず、
「ごめん、今日はやめておく。」
と伝えると、
「わかった。」
と一言だけ返ってきました。
そしてそのまま奥さんは娘を連れてピクニックへ出発しました。
以前なら、
「大丈夫?」
「ゆっくり休んでね。」
と声を掛けてくれていた記憶があったので、その日は少し寂しく感じました。
当時は、
「子どもが生まれるとパパのことは後回しになるって聞くけど、本当なのかな。」
と考えてしまったほどです。
でも後になって夫婦でこの日の話をすると、
「私も毎日の育児や寝不足、腰痛で余裕がなかった。」
と奥さんが話してくれました。
その言葉を聞いて、当時はお互いに精一杯だったんだと気付きました。
育児中はどちらかが悪いとかではなく、二人とも余裕を失ってしまうことがあります。
だからこそ、その時の出来事だけで判断しないことが大切なんだと思いました。
夜になって少し動けるようになった
夕方になってもお腹の痛みは続いていました。
それでも朝に比べると熱っぽさは少し落ち着き、何とか身体を起こせるように。
ただトイレへ行くとまだ下痢は続いています。
汗もたくさんかいていたので着替えだけ済ませました。
眠っている頃に奥さんたちはピクニックから帰宅。
さらに偶然その夜は奥さんの友人も家へ遊びに来ていました。
僕も少しだけ部屋から出て挨拶をしましたが、長く話せるような体調ではありません。
「ゆっくりして行ってください…。」
と一言だけ伝え、再び部屋へ戻りました。
お茶を飲みながら横になっていると、リビングから奥さんたちの楽しそうな話し声が聞こえてきます。
本当なら僕もその輪の中にいたはずでした。
娘と初めてのピクニックへ行って、みんなでお弁当を食べて、写真を撮って。
帰ってきたら奥さんの友人と話をして。
そんな一日になるハズでした。
「今日、娘はどんな表情で1日を過ごしていたんだろう。」
「奥さんに余計な負担をかけてしまった。」
そんなことを考えながら、布団の中で静かに目を閉じました。
途中、奥さんと友人が帝王切開後の話をしているのが聞こえてきました。
「病院のベッドのリクライニングが思うように動かなくて、ご飯を食べるのも大変だった。」
そんな話をしていたのをぼんやりと覚えています。
浅い眠りを何度も繰り返しながら、
「今は何時なんだろう。」
と時計を見ることだけが、その日の時間の流れを知る方法でした。
「早く治りたい…。」
そのことばかり考えていました。
病院で胃腸炎と診断される
翌朝になると熱は下がっていました。
身体のだるさも少し楽になっています。
「昨日よりはかなりマシだ。」
そう思えただけでも安心しました。
ただお腹の調子はまだ完全には戻っておらず、朝一番にトイレへ向かいました。
下痢は続いていましたが、不思議と急に空腹を感じます。
「何か食べないと。」
そう思って冷蔵庫を開けました。
果物なら食べやすそうだと思ったのですが、ちょうど何もありません。
トマトもありませんでした。
前日にピクニックへ行く予定だったこともあり、買い足しをしていなかったのです。
冷蔵庫を見渡していると1本だけきゅうりがありました。
「きゅうりなら大丈夫かな。」
そんな軽い気持ちでそのままポリポリと食べ始めました。
……これが失敗でした。
20分ほどすると再びお腹が痛くなってしまいました。
今思えば、胃腸炎の時に生のきゅうりは消化に良い選択ではなかったと思います。
当時はとにかく何か食べなければという気持ちでいっぱいでした。
「やっぱりお粥にしておけばよかったな。」
そう反省しました。
その後お粥を炊いて少しだけ食べると、ようやく少し落ち着いてきました。
それでも腹痛は続いていたので、
「ちゃんと病院で診てもらおう。」
と思い、休日診療をしている病院へ向かいました。
病院での出来事
病院へ到着すると入口には、
「発熱や風邪症状のある方はインターホンでお知らせください。」
という案内が貼られていました。
インターホンで症状を伝えると、
「まずは別室で待機してください。」
とのアナウンス。
別室に向かうとぐったりした男性が一人座っていましたが、とてもつらそうな表情をしていて、
「この人もしんどいんだろうな。」
と、謎の共感をしていました。
そして待機している間に問診票を書きます。
しばらくすると看護師さんが来られ、
「診察できますので本館へどうぞ。」
と案内してくれました。
診察室で先生に一昨日からの経過を説明しました。
腹痛があること。
下痢が続いていること。
微熱があったこと。
そして前日に冷凍していた魚を食べたことも伝えました。
「魚が原因でしょうか?」
と聞いてみると、
先生は少し考えながら、
「そうかもしれませんし、違うかもしれません。」
と曖昧に答えられました。
そして、
「ただ食中毒の症状ではありませんね。」
と言われて、原因は特定できませんでしたが診断は胃腸炎とのこと。
「食中毒じゃなくてよかった。」
と少し安心しました。
薬を処方してもらって、そのまま薬局へ向かいました。
休日に開いていることもあり、薬局はかなり混み合っていました。
待っている間に、
「みんな体調を崩しているんだな。」
と周りを見て感じていました。
薬を受け取った帰り道にはドラックストアへ寄ってポカリスエットとバナナを買いました。
水分と栄養だけはしっかり取ろうと思ったからです。
「原因は分からなかったけど、ひとまず食中毒じゃなくてよかった。」
そんな少し安心した気持ちで家へ帰りました。
少しずつ体調が回復
もらった薬を飲んでゆっくり休んでいると、夜には腹痛がほとんどなくなっていました。
「薬って本当にすごいな。」
前日まで布団の中でほとんど動けなかったことを思うと、その回復ぶりにびっくり。
夕食は胃に負担をかけないように梅入りのお粥を食べました。
まだ本調子ではありませんでしたが、食事ができるようになっただけでも安心します。
そして夜にようやく娘を抱っこしました。
たった一日抱っこできなかっただけなのに、とても久しぶりに感じたのを覚えています。
症状が出ていた初日は万が一うつしてしまう可能性を考えて抱っこを我慢していました。
「昨日はごめんね。」
娘にそうつぶやきました。
その後は娘へ絵本の読み聞かせもしました。
いつもの日常が戻ってきたように感じて、本当にうれしかったです。
夕食では奥さんと一緒にご飯を食べながら、
「昨日はピクニックへ行けなくて本当にごめん。」
と改めて謝りました。
僕自身も楽しみにしていたからこそ、申し訳ない気持ちはずっと残っていました。
奥さんも、
「仕方ないよ。」
と言ってくれ、その一言でようやく気持ちが少し軽くなりました。
そして胃腸炎から回復していくにつれて、普段どおりの生活が戻ってきました。
家族にはうつらなかった
胃腸炎と診断されてから一番心配だったのは家族への感染でした。
幸いにも娘は体調を崩すことなく、いつも通り元気に過ごしてくれました。
奥さんも胃腸炎の症状は出ませんでした。
今思うと本当にそれだけは救いだったと思います。
ただ家では食器を分けて使い、奥さんはドアノブやトイレなど人がよく触れる場所をこまめに消毒してくれていました。
また僕自身もトイレをするたびに便座や周囲を掃除するようにしていました。
当時は何のウイルスか分かっていなかったので、
「できることはやっておこう」
という気持ちでした。
マスクは着けていませんでしたが、食事や休養のほとんどを別室で過ごして娘への接触も控えるようにしていました。
結果として家族にうつることはなく、本当に安心しました。
妻も限界だった
実は奥さんも決して元気だったわけではありません。
僕が胃腸炎になっている時に奥さんは腰を痛めていました。
毎日娘を抱っこしながら座卓で生活していたため、背もたれのない生活が続いて腰への負担がかなり大きかったようです。
普段は体調を崩さない人だったので、
「そこまで痛かったんだ。」
と驚きました。
少しでも楽になってもらえれば、と思ってどんな椅子が良いかすぐに調べました。
するとリクライニングできて肘掛けのある椅子が良さそうだと分かったので、その日のうちに注文しました。
届いてから使ってみると、
「前より楽になった。」
と言ってくれたので、本当に買って良かったと思っています。
今でもこのリクライニングできるひじ掛けイスは心強い味方として活躍中です。
二人とも頑張りすぎていた
今振り返ると、あの頃の僕たちは二人とも少し無理をしていました。
僕は仕事が繁忙期で疲れがMAX気味に。
奥さんは毎日の育児と寝不足。
さらに腰痛も抱えていました。
そしてその少し前には初めての予防接種もあって、お互いに気を張る日が続いていました。
僕は、
「少しでも奥さんの負担を減らしたい。」
と思い、家に帰ってから家事をできるだけこなそうとしていました。
もちろんそれ自体は悪いことではないと思います。
でも自分の疲れを無視してしまった結果、体調を崩してしまいました。
奥さんからは、
「もうダイスケくん一人の体じゃないの。パパなんだから。」
と言われました。
その言葉は今でもよく覚えています。
家族のために頑張ることは大切です。
でも無理をしすぎて倒れてしまえば、結局は家族へ負担をかけてしまいます。
「自分自身が健康でいることも、立派な育児なんだ。」
この時そう思いました。
健康でいることの大切さ
今回僕が寝込んだことで一番大変だったのは奥さんだったと思います。
育児も家事も一人でこなしながら、体調の悪い僕のことまで気に掛けなければいけませんでした。
もし娘まで体調を崩していたら、さらに大変だったでしょう。
だからこそ普段から体調管理をすることも父親として大切な役割なんだと感じました。
もちろん、どれだけ気を付けていても病気になる時はあります。
そんな時は一人で抱え込まず、
「今日は少ししんどい。」
「ちょっと休ませて。」
そう素直に伝えることも必要なのだと思います。
無理を続けて突然倒れてしまうより、お互いに声を掛け合いながら助け合う方がきっと家族みんなにとって良いはずです。
今回の胃腸炎は僕にとって健康の大切さを改めて教えてくれた出来事でした。
これで終わらなかった…
胃腸炎も治り、
「これでようやく一安心。」
そう思っていました。
ところが、その翌週。
今度は目に強い違和感を覚えます。
病院で診てもらうと、
「角膜に小さな傷ができています。」
と言われました。
なぜそんなことになったのか。
次回の記事で詳しく書きたいと思います。
まとめ
育児中に体調を崩して初めて気付いたことがありました。
それは自分が健康でいることも育児の一部だということです。
子どものお世話をすることだけが育児ではありません。
毎日元気に働き、家族と過ごし、一緒に笑って過ごせること。
それも親として大切な役割なのだと思います。
今回僕が体調を崩したことで、奥さんにはたくさん負担をかけてしまいました。
それでも家族みんなで乗り越えられたからこそ、お互いを思いやることの大切さを改めて学ぶことができました。
育児中は思うようにいかないことの連続です。
だからこそ一人で頑張りすぎず、「助けて」と言える関係を夫婦で作っていくことが大切なのだと思います。
もし今この記事を読んでいる方が小さなお子さんを育てているパパ・ママなら、どうか無理だけはしすぎないでください。
健康でいることも、家族を守る大切な育児のひとつです。


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