今回は「日本和紙写真協会」様の展示作品を見た感想です。
和紙に印刷された写真は陰影がとても柔らかい印象でした。
会場までの道のり
会場は大阪中之島にある中央公会堂でした。最寄り駅の淀屋橋から、川沿いを歩いて目的地を目指しました。10分ほど歩いて建物に到着しましたが、案内の看板が見当たりません。ぐるりと1周して入口を発見しましたが、今度は会場の部屋がどこかわかりません。右往左往していると会館の人が「2階です。」と教えてくれたので、やっと会場までたどりつけました。
(日本和紙写真協会のHPには開催場所が記載されていました。ツイッターの案内チラシにはありませんでしたが、きちんと調べていけばよかった…)
会場に入ると、会議スペース2部屋ほどの広さに作品が30~40枚ほど展示されていました。到着したのは夕方18時ぐらいで、他のお客さんは2人でした。部屋に入るとスタッフの方が「これ、どうぞ」と言ってパンフレットをくれました。人気が少なかったので少し寂しい印象を受けましたが、ゆっくり作品を観られたのでよかったと思っています。部屋の奥にパーテンションで仕切られた関係者の方の小部屋があって、そこには10人ほどいました。
和紙で作られた写真は美しい
作品についてですが、「すごい!どれもよくできているなあ…。」という印象でした。特に陰影がよく表現されています。普段見かける写真はツルツルした紙に印刷されているため、光の反射が強いです。しかし和紙に印刷された写真はその反射を和らげてマットな仕上がりでした。特に黒系の部分は繊細で立体的にも見える艶やかさでした。和紙にある独特のヨレもいい質感を生み出していました。
作品は風景、人物、動植物が多かったです。作品の側には作者の名前と写真が掲載されていたので、親しみやすさがありました。
印象に残った作品は能面をかぶった人物を中心に撮られた鷹矢翔さんの作品でした。和室の暗さと外の明るさの対比、左右に広がる奥行感、能面の無表情、などが和紙とマッチしていました。先ほども書きましたが、黒の部分、つまり暗さの表現が和紙によってうまく引き出されているように思いました。
あと「面白い」と思ったのは掛け軸に貼り付けられた作品たちでした。掛け軸に和紙という、和と和の組み合わせです。まるで絵画のように感じましたが、「組み合わせによって和紙写真の表現も変わるんだなあ」と思いました。
不思議に思ったのは作品の1つがパーテンションの裏側に被って展示されていたことでした。「横から見てほしい!」という作品ではなかったと思うのですが、もし部屋のスペース上の問題なら少しもったいない気がしました。
作品をすべて鑑賞して部屋を出ようとすると、スタッフの人たちが展示されている作品を取り外し始めました。僕が退出したのは18時10分ぐらいです。開催時間は21時までと記載されていましたが、何かの都合があったのかもしれません。
自宅にもどって会場でもらったパンフレットを開いてみると、こちらはアートブックでした。今回の展示会で観た作品が作者ごとに1つずつ掲載されています。カラーの冊子なので、これはかなりうれしいです。
終わりに
初めて和紙写真を見ましたが、想像以上に仕上がりがすごかったです。日本和紙写真協会のHPには使用している材質へのこだわりも記載されていました。こだわりがあるからこそ、印象に残る作品が作れるのかもしれませんね。
次回は2022年3月下旬に和歌山県九度山町で開催予定のようです。都合が合う方は一度足を運んでみてはいかがでしょうか?(開催が延期になった、とコメントをいただきました。)
日本和紙写真協会様、素敵な作品をありがとうございました!
コメント
日本和紙写真協会の展示にお越しいただきありがとうございました。
鷹矢 翔と申します。また私の作品に高評価頂き大変うれしく思っております。
能面の作品については、舞台衣装デザイナーの時広先生とコラボレーションした作品となり、今年の5月1日発売の時広先生作品集(美しい宙そら)に先がけて展示いたしました。残念ながらコロナ拡大の為九度山町での展示は延期となっております。
Facebook、インスタグラムもしていますので是非ご覧いただけると嬉しいです。
私は現在 和歌山県九度山町で古沢和紙復活の活動をしております。
九度山町もいろいろな文化財もございますので遊びに来てくださいね。
ありがとうございました。
鷹矢 翔様、コメントありがとうございます。
有名な時広真吾さんとのコラボレーションで創られた作品だったとは大変驚きました。
次回の展示会が延期になってしまったのは残念ですね。
九度山町にもいつか立ち寄ってみたいと思います。
こちらこそ素敵な作品を鑑賞させていただきありがとうございました。